旋削工具の段取り

旋削加工で品質の良し悪しを左右するのは、主に工具システムとこのシステムが切削の被削材とともにどのように使われるかです。
突出し量
旋削工具を最適な状態に段取りするため、できる限り突出し量が短いツールホルダを使用するとびびりを避けることができます。可能ならサブスピンドルまたはサポート用のテールストックの使用をお勧めします。
突出し量の長い加工においては十分な長さでのクランプを確実なものとするため、バイトを適切に取り付けることが特に重要です。推奨クランプ長さは4×バイト径 (D) です。これにより安定した工具の段取りが実現します。
円筒ボーリングバイトとアダプタはスプリットスリーブにクランプすることが可能です。大きなボーリングバイトとアダプタはスプリットベアリングキャップを2個使用してクランプすることができます。

スプリットスリーブで組み付けた工具

スプリットベアリングキャップ2個で固定した工具
最大工具突出し量
バイトタイプ | 旋削加工 | 溝入れ加工 | ねじ切り加工 |
鋼製ボーリングバイト | 4 x BD | 3 x BD | 3 x BD |
超硬ボーリングバイト | 6 x BD | 5 x BD | 5 x BD |
鋼製防振型ボーリングバイト ![]() | 7 x BD 10 x BD | 5 x BD* | 5 x BD* |
超硬補強防振型ボーリングバイト ![]() | 14 x BD | 7 x BD | 7 x BD |
*570-4Cバイト |
ボーリングバイトの最適な性能を引き出すには、工具とツールホルダとの接触状態、構造、および寸法公差が重要な要素です。バイトが完全に包み込まれるようクランプされるホルダを使用することで、最高の剛性が得られます。スクリュー付きのV型バイトホルダとスクリュー付きの円筒シャンクホルダは推奨しません。

バイトを完全に包み込むホルダ

V型バイトホルダ

スクリュー付き円筒ホルダ
ツールホールディング
Coromant Capto®はモジュラー式のクイックチェンジツーリングコンセプトです。直接スピンドルと結合すると、例えば複合加工機、旋削能力のあるマシニングセンタ、および立旋盤で安定性と汎用性が向上します。


Silent Tools™アダプターは工具内の防振機構によって、びびりを最小限に抑えるように設計されています。多くのサイレントツールユーザーは、突出し量の長い加工にサイレントツールを使用しています。しかしながら突出し量が短い (3 x D) 場合でも、生産性が大幅に向上し、加工面品質の改善も得られます。
イージーフィックススリーブは円筒アダプタの段取り時間の短縮を可能にする解決策です。スリーブに取付けられているスプリングプランジャーが、バイトの溝に入り適切な芯高を保証します。イージーフィックススリーブは高圧クーラントも使用できます。


QS™ホールディングシステムはクイックチェンジツールホルダで、小型自動旋盤での有効生産時間を最大限に延長します。QS™と高圧クーラントを併用して、円滑な生産と高い加工品質を実現してください。ほとんどの旋削加工ホルダに使用可能。
