立型複合加工機

複合加工機の主な利点は、1台の機械で複数の切削プロセスとセットアップの組み合わが可能なことです。これにより、加工部品のセットアップとリードタイムを削減できます。立型複合加工機では、加工部品が縦軸を中心に回転します。
立型複合加工機の構成
立型フライス/旋削盤ではワークが垂直軸を中心に回転します。通常、ワーク径は横型複合加工機で加工するものより大きく、固定振れ止め、心押し台またはサブスピンドルによる支持は不要です。
こうした機械は、5軸マシニングセンタに旋削加工機能を加えて開発されました。そしてさらにC軸(回転台)の回転速度を上げ、スピンドルで加工を安定させました。すべての加工作業を一台の機械に統合することで、5軸加工機能に加えてコンポ―ネントの段取り時間の短縮も達成されます。

複数の複雑加工をうまく組み合わせるには、いくつかの主要オプションを考慮する必要があります。
スピンドル
旋削工具と回転工具を両方使う場合には、従来のマシニングセンタと旋盤とを組み合わせてスピンドルに幅広い機能を持たせる必要があります。高い曲げ剛性、トルク伝達と精確な工具の中心位置を実現するには、Coromant Capto®がこの種の機械に最適なインターフェイスです。
内径加工をする場合は長い工具長が必要です。C8 (80 mm (3.150 inch) のフランジ径) またはC10 (100 mm (3.937 inch) フランジ径) のCoromant Capto®が、大型機械には最適です。
最大の安定性を提供すると同時に、Coromant Capto®は機械インターフェースアダプタの必要性をなくすことで、ゲージラインを最短にし、ツーリング費用を抑えることが可能です。



マガジン
複合加工機は旋盤とマシニングセンタに代って、様々なワークを生産することができます。マガジン内にすべてのワーク加工のために広いスペースがあり、工具を交換することなく、ひとつのジョブから次のジョブへのクイックチェンジをサポートすることが重要です。

パレット
パレットを使用すると、機械の生産中にワークを固定具にセットアップすることができます。機械に直接セットアップすることに比べて、機械の利用率が非常に高くなります。
直角ヘッドアダプタ
内径フライス加工を行うには、スピンドルノーズのサポートと位置を調整して、メインスピンドルが補助ヘッドを駆動できるようにする必要があります。このヘッドを工具交換してマガジンに保管しておくことができます。


補間旋削加工
この機械オプションにより、非対称部品に対象特性を持たせる加工が可能になります。特殊工具やフィードアウトヘッドは不要です。
マルチツール位置
マルチツール位置 – 複数の刃先が付いた切削ホルダを使用すると、交換時間短縮と省マガジンスペースの2つの利点があります。スピンドルの向きの調整、複数の位置の測定とオフセットをチェックする必要があります。


高圧ポンプ
ほとんどの機械は、約70 bar (1015 psi) の高圧クーラント機能を備えています。クーラントに関する詳細はこちら
多機能工具
複合加工機の最も重要な利点は、1台の機械でワークにおけるすべての加工の組み合わせができることです。しかし、ターニングセンタと比べて工具交換時間が長く、B軸ヘッドと狭いマガジンスペースによりアクセス性が劣るという難点があります。
多機能工具は複合加工機用に開発されたもので、これらの問題を対処し、機械能力を最大限に引き出します。
