ドライ加工/ウェット加工

フライス加工は本質的に断続加工です。このため刃先に熱が発生し、高温 (~1000°C) になったり低温になったりと変動します。
切削油の効果
温度の変動は刃先が切削に入るときと切削から抜けるときに大きくなります。このため、切刃は熱衝撃と繰返し応力にさらされます。そうなると亀裂が発生する恐れがあり、最悪の場合は工具寿命に満たないことになります。
切削ゾーンが熱いほど、切削油の使用による不安定さが増します。
仕上げ加工では発熱量が低いため、切削油を使用しても、荒加工のときと同じように工具寿命が短縮されることはありません。

刃先の熱亀裂
ドライフライス加工
ドライ加工は刃先の寿命を延長。ドライ加工では加工温度が変化しますが、超硬材種の設計範囲内に留まります。荒加工は必ずドライ加工で行ってください。

切削油を使用するケース
切削油を使用すべき場合について、いくつか例外があります。
- ステンレス鋼やアルミ合金の仕上げ加工 – 金属粉が加工表面に溶着するのを防ぎます
- 低切削速度での耐熱合金の加工 – 給油で加工物を冷まします
- 鋳鉄の加工 – 環境上、健康上および加工物の品質上の理由から粉塵を湿らせて流します
- 壁が薄い部品の加工 – ワークの歪みを防ぎます
- 少量の特殊オイルと圧縮エアー等のマイクロ給油システムで、深いキャビティーから切りくずを排出させることができます。

圧縮エアー

オイルミスト
マイクロ給油システムでの「オイルミスト」の量は時間当りわずか数mlで、通常のフィルター付き通気システムを介して排出されます。

十分な流用

外部給油
ウェット加工を行う場合、切削油は十分供給してください。